老健(介護老人保健施設)は、介護施設の1つです。老健で働いてみたいと思っている人は、看護師の役割や仕事・業務内容、給料、メリットを確認しておくと、転職後の具体的なイメージが湧いてくると思います。
1、老健の看護師の役割や仕事内容
老健は、高齢者が病院を退院した後に、自宅へ帰るのが困難な場合に一時的に入所し、看護・介護を受けながら、リハビリを行っていく介護施設です。
老健の看護師の人数・配置基準は、入所者100人当たり9名とされていて、ほかには常勤医師1名、介護職員25名、リハビリスタッフ(PT、OT、ST)1名、ケアマネージャー1名などの配置基準が決められています。
■入所者の健康管理
老健では積極的な加療は必要ないものの、ADLが低下していたり、慢性疾患がある高齢者が入所していたりしますので、看護師は入所者の健康管理をする役割があります。具体的には、バイタルサインの測定や内服管理、排便コントロールなどです。
最近は療養病床の削減等で、老健の入所者の医療度が上がってきていますので、人工呼吸器をつけていたり、ドレーンが入っているような入所者が増えてきています。そのため、痰の吸引やドレーン管理など、療養型病棟に近い仕事をすることもあります。
■家族のケア
老健では家族のケアも大切です。自宅の受け入れ状況が整えられない、経済的な負担があるなどの問題を抱えている家族は少なくないので、家族とコミュニケーションを取り、利用可能な社会資源を紹介するなどを行います。
■介護士への指導
老健では介護士がたくさん働いていますが、介護福祉士の資格を持っておらず、簡単な実習を受けただけの人もいますので、看護師が安全に介護できるように指導をすることもあります。ほかの職場の看護師の仕事内容と比べてみると、老健での仕事・業務内容の特徴が見えてくると思います。
2、老健の看護師の給料
法律上、看護師の24時間常駐が義務付けられているわけではないのですが、医療度・看護度が高い入所者が多いため、看護師が夜勤をしなければならない老健がたくさんあります。そのため、老健では夜勤手当が付きますので、老健での給料は病棟勤務のケースとそれほど大きく変わりません。ただ、病院に比べるとボーナスや各種手当が少なめです。老健での給料は、年収420~450万円前後が目安になるでしょう。
3、老健の看護師の3つのメリット
3-1、ゆとりを持って働ける
老健は医療度が上がってきているとはいえ、病院のような重症患者はいませんので、医療行為を行う機会は少ないです。また、介護士が多数配置されているので介護業務を行う機会も少なめです。そのため、看護師は体力的にも精神的にもゆとりを持って働くことができ、看護記録を書き終えても、定時退勤できることが多いです。特に看護記録の量は、病棟に比べるとかなり少ないので看護記録を書くのも楽ですし、短時間で終わります。
3-2、いろいろな雇用形態を選べる
老健のメリットは、いろいろな雇用形態を選べることです。老健の常勤は夜勤を行うことが基本ですが、日勤常勤の求人もたくさんあります。
また、パート・バイトの求人もありますし、夜勤専従の求人もあります。そのため、自分の都合や希望に合わせた雇用形態を選ぶことができますので、子育てとの両立も可能なのです。
3-3、向き合った看護ができる
老健のメリットは、向き合った看護ができることです。老健では入所判定を3ヶ月おきに行わなくてはいけませんが、3ヶ月経ったら、絶対に退所しなければいけないというわけではなく、入所の必要性が認められれば、長期的に年単位で入所することができます。
そのため、老健では長期間向き合った看護をすることができます。入所者個人のADLや状況、慢性疾患に合わせた看護目標を立て、長期的に看護をしていけるので、やりがいを感じることができるでしょう。
4、老健の看護師が辞めたい時ってどんな時?
老健の看護師が辞めたい時は、どんな時でしょうか?老健で働く看護師が辞めたいと思う理由を挙げてみます。
・老健なのに人工呼吸器の入所者が複数いるなど看護度が高い
・夜勤中は医師がいないため、緊急時は看護師が判断しなければいけない ・介護士がむかつく ・感染管理や設備など病院との違いがあまりにも大きくギャップについていけない ・夜勤回数が多すぎる |
これらの理由で、老健の看護師は辞めたいと感じることが多いです。
まとめ
老健の看護師の役割や仕事内容、給料、メリット、辞めたい時などをまとめました。老健は病院よりも医療行為は少なく、ブランクがある人や子育て中の人におすすめの職場です。
ただ、近年は医療度が上がってきていますので、入所者の状態や業務内容は詳しく調べてから転職しましょう。看護師求人サイトを利用すると施設の情報や業務内容も教えてくれるのでぜひ探してみてください。
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