ケモはがん治療においての1つの治療法であり、看護師はその治療が確実、安全、適切に行われるための看護の責務に努めなければなりません。
最後までしっかりお読み頂き、ケモに関して正確な知識を身につけましょう。
1、ケモとは
化学療法(chemotherapyの略)。のことで、俗に言う抗がん剤治療のことを指します。
化学療法とは抗がん性のある薬物あるいは化学物質を用いて治療することです。
1‐1、抗がん剤の種類
化学療法に用いられる薬剤は、がんの種類、進行度(病期)、これまで受けた治療などによって異なります。主な種類は、代謝拮抗剤、アルキル化剤、抗生物質、微小管作用薬、白金製剤、トポイソメラーゼ阻害剤などがあります。効果はさまざまですが、主にがん細胞の増殖を抑制や破壊をする効果や、DNAと結合することによりがん細胞の分裂を抑える効果があります。
2、ケモの看護計画
ケモの看護で重要なことは、その患者さんにもっとも適した看護計画を立てることです。
どのような点に注意して看護計画を作成するか表にまとめたものをみていきましょう。
■抗がん剤投与前のチェック項目 |
①治療計画の確認と調整 |
治療目的と目標効果判定の方法と時期 |
②使用する薬剤のアセスメント |
それぞれの毒性、安全性、器材の選択に影響する特徴をアセスメントし、投与上の注意点や副作用対策を考えられます。 |
③患者の全身状態の確認 |
薬剤の減量や中止が考慮される既往歴や状態はないか?検査データの確認をします(治療方針決定前、前日)。 |
④患者の治療に対する理解とその内容の確認 |
初めての治療の場合、説明内容の配慮が必要です。治療目的・目標と治療計画の理解の確認をします。 |
⑤投与スケジュール |
予測される副作用と対応策についての説明をします。2クール目以降の患者さんの過去の治療中の副作用と対応を行います。 |
⑥投与中の急性症状に対応するための準備 |
救急カート・血管外漏出時の処置物品の準備をします。急性の悪心・嘔吐に対する対応物品と追加投与薬の指示確認を行います。 |
看護の際にはバイタルサインの確認や、局部における観察をもって、副作用の・合併症に注意して看護計画を立てましょう。
3、ケモの看護手順
抗がん剤投与時には正確な看護手順を行う必要があります。
≪抗がん剤投与時の看護手順≫
①医師の指示と搬送された薬、患者さんの確認を行います。
②薬剤の準備を行います。
③静脈投与ラインの確保(血管確保)を行います。
※血管外漏出のリスク因子を十分に考慮し、血管を選択します。
④静脈ラインの開通性の確認を行います。
※必ず血管の逆流と自然滴下の確認をします。
⑤投与を行います。
※必要な前投薬は投与されたか、指示された投与速度厳守の確認を行います。
投与終了までの時間にも注意します。
⑥輸血ラインを清潔に管理します。
⑦抗がん剤特有の急性反応のモニタリングを行います。
※過敏症/アナフィラキシー、血管外漏出、インフュージョンリアクション
急性の悪心・嘔吐がないか観察をします。
⑧急性反応への適切な対処について患者さんに説明を行います。
4、ケモの注意点
ケモは、薬剤によっては血管外にわずかでも漏れた場合、壊死を招く可能性があり、漏出しなくても血管炎などで強い痛みを生じることもあります。
また年齢・肝腎機能などによっては、強い副作用がでる可能性があります。
このような点を踏まえ、これでよいのか?
『治療適応・投与方法・投与量』の再確認をしましょう!
まとめ
化学療法中の患者さんは、副作用によってナーバスになっていることが多いため、その心情をよく考えて応対することが大切です。副作用の種類、程度、発生時期は患者さんによりそれぞれ違うため、看護師は家族にもしっかりと経過の状況を説明し理解して頂き、家族から患者さんへの対応が治療を受ける患者のメンタルを支えるキーとなることをしっかり理解し適切な看護を行いましょう。
著者情報:寺澤文枝(神奈川県在住の看護師)外科のオペ室で勤務をして現在リハビリ中心の医療に携わ |
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